カエル先生・髙橋宏和のウフフ健康コラム vol.7「食中毒防止には、つけない・増やさない・やっつける」
カエル先生・髙橋宏和のウフフ健康コラム vol.7「食中毒防止には、つけない・増やさない・やっつける」
ufufu.tv医療情報担当のカエル先生こと高橋宏和先生のコラムです!月1回程度の不定期更新ですが、様々な医療健康情報を解説いたします!今回は「食中毒」についてです!
意外と身近な食中毒
先日、関東のとあるホテルで食中毒が発生したというニュースが流れました。こんなふうにときどきニュースで食中毒の話をみることがありますが、自分とは無関係と思っていませんか?意外と身近なのが食中毒。食中毒の危険は普段の生活の中にフツーに潜んでいるのです。
2016年には20252人届け出
厚生労働省の統計によると、昨年2016年には全国で1139件の食中毒が届けられています。人数でみると20252人。件数より人数が20倍近く多いのは、届出があった食中毒の多くは集団で起こっていることを示すのでしょう。
ちなみに届け出のあった食中毒が一番少ない月は9月で727人、一番多い月は12月で3379人です。
家庭内で食中毒が起こった場合はわざわざ保健所などに届け出ないので、実際にはもっと多くの食中毒が起こっていると思われます。
一番多いのはノロウイルス、一番怖いのは腸管出血性大腸菌
食中毒の原因で多いのはノロウイルスです。届出のあった20252人のうち半数以上がノロウイルスの被害です。ノロウイルスは冬場に多く、ひどい下痢や嘔吐を起こします。
患者数は少ないもののもっとも怖いのは腸管出血性大腸菌。2016年の食中毒での死亡者14人のうち10人が腸管出血性大腸菌での死亡者です。
食中毒は細菌やウイルスによって起こります。
これからの夏場は細菌による食中毒に要注意。気温や湿度が高いと細菌が繁殖しやすいのです。
食中毒を防ぐには、洗う・低温保存・加熱調理
細菌による食中毒を防ぐには「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則が大事です。
具体的にはこまめに手や調理器具を洗うことで細菌を「つけない」ことが大事。
また、細菌は10度以下では繁殖がゆっくりになり、マイナス15度以下だと繁殖がとまります。このため生ものを保存するときは冷蔵・冷凍保存で細菌を「増やさない」ことも重要です。
ほとんどの細菌やウイルスは加熱で死にます。だから加熱して細菌やウイルスを「やっつける」ことで食中毒を防げます。
「つけない」「増やさない」「やっつける」の三原則を守って、元気に夏を乗り切りましょう!
参考サイト
政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」
http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/
厚生労働省「食中毒統計資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
1992年麻布高校卒。1999千葉大学医学部卒、医師免許取得。神経内科医として同大附属病院、成田赤十字病院、下都賀総合病院、松戸市立病院に赴任。2008年千葉大学医学部大学院卒業。医学博士号取得。また医者という立場でありながら2008年松下政経塾に入塾し、「医療体制の再生/科学技術による高齢化社会の克服」について、実践的な研究・政策提言活動を行なう。2011年卒塾後は、松戸神経内科(千葉県)およびJCHO東京高輪病院で診療活動を行いながら、地域医療に関する講演活動などを行っている。著書に『松下政経塾 講義ベストセレクション 地方自治編』(共著)や、『3分診療時代の長生きできる受診のコツ45』(世界文化社)などがある。
2017年1月より月1回「渋谷クロスFM」に出演。
ブログ「カエル先生・高橋宏和ブログ」http://hirokatz.hateblo.jp/も更新中。
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